子育てしない母親はいない。いるのは世間に疲れた母親だけ
実は、私、子育てしない母親だと言われたことがあります(笑)
子供が1歳になってすぐに保育園の一時保育を探して預けて、家でひとり休んでいることが増えたからだったかな?
当時、私は手術をして、体力が回復せず、4ヶ月ほど実家でゆっくりして、本当はもう少し実家にいたかったけど、息子がだんだんパパのことを忘れてしまいそうで、がんばって九州の実家から、関東へ帰ってきたのでした。
でも、やっぱり体がつらく、だるいのは取れず、もし、自分に何かあった時、預かってくれる人が必要と思い、自宅から車で15分くらいのところにある、料金は高いけれど、いつでも預かってくれる認可外保育園を見つけたのでした。
認可外の保育園をやっと見つけて、3時間、週3回預かってもらうようになると、子供を連れず、私が一人で自宅に帰ってくるのを見た近所の人が「子供さんは?」と聞くので、「保育園にちょっと預けてます」って言ったら、子育てしない母だという噂が流れて困ったことがありました。
しかも、別の奥さんからそのことを知るという(笑)
その後、子供が2歳になったタイミングで、在宅の仕事を始めたので、言われることは無くなりましたが(また別のいじりはあったけれど)子育てに関する価値観や生活スタイルは、家庭それぞれ違うと思うんですよね。
なので、方法は色々あるし、やり方も、どうするかは母親次第だと思うんです。
育児したくない本当の理由が見えた!
私自身も、子供がいない時には、子供を強く叱ったりするママさんを見て、「こわー」と思ったこともあるし、ちょっとそれはないんじゃない?と思うこともありました。
でも、子供を産んでからそうなってしまうママさんの精神状態がわかるようになったんです。子育てを経験して、初めて、母親になるということの意外なプレッシャーに気がつくようになったと言えます。
その多くは「母親だからこうあるべき」といった母性神話からくるものだと私は思っています。
いつも優しく、笑っていて、料理上手で、明るくて、子供が大好き!
正直に言いますが、女だからって、全員が子供が好きなわけじゃありません。
もっというと、機嫌が悪い時の方が多いし、料理もそこそこ(笑)だし、性格も明るいわけじゃないし、優しくもないです。(←やばいw)
要するに母性神話なんて、ただのイメージであって、みんなに当てはまるわけじゃないってことなんです。
な〜の〜に〜
子持ちの女を『母親』とひとくくりにするわけですよ!世間の人は!夫は!
だから、子持ちの女性はみんな疲れてますよ。
だって、本当の自分じゃなく、母親として日常の大半をイメージを守りながら生活してるわけだから。
世間の母親への母性神話バイアスを取り除かない限り、母親のイメージからちょっと外れただけで、いろんなことを言われてしまう、このせちがらい世の中よ・・・。
育児したくないは本当は休みたいだけ
結婚して、子供を授かって、産んで、育てて・・って皆さん、予備知識ありましたか?
こんなに子供を産んだり育てたりするの、大変だって知ってましたか?
私、早産だったり、不妊治療したり、子供が低体重児だったり、本当にわからないことだらけで、全く予備知識なく子育てしていて、困ったことだらけでした。母親学級も参加してたんですけど、結局2回しか行かないまま出産へゴーだったので・・。
実家、九州⇆関東住みで、夫は多忙で不在がち、私はワンオペ状態で、しかも、産後3回一年おきに手術するという、ハードモードな産後生活だったもんですから、とにかく疲れてましたね。
運動は好きで、体力には自信があったんですが、やっぱり眠れないのは体力が大幅ダウンしますね。本当につらかったです。
私以外のママさんも、よほど実家が近いとか、恵まれた環境でなかったら、ほぼワンオペで育児していることがほとんどだと思うんです。
そりゃあ、疲れますよ。体力もいるし、自由な時間がないことが本当に辛いんですよね。
だからこそ、いつでも預けられる保育園があった時には、本当に嬉しくて、子供を預けて、ほんの1時間ゆっくりできただけで涙がこぼれちゃったもん(笑)
子供は可愛いんですよ(←ここ力説!)でもね、子供が可愛くても、体力は回復しないんです・・。
だから思うんですよ。どうして子供が成人したお母さんたちが、ちょっと子供を保育園に預けて休んだだけで私に物申してきたのか。
きっと、子育てが大変だったんでしょうね。
昭和の真っ盛り、男はモーレツサラリーマン、女は専業主婦で家庭を守るべし!の時代。
ほとんどの女性が、結婚したと同時に退職するのが当たり前、25歳は売れ残りと言われるなんてなかなかヘビーですよね。
保育園に子供を預けるなんて、3歳までは母親の愛情が必要なのよ〜と言われてせっせと子育てしていたんだろうな・・。
きっとひとりで・・と思うと、私に一言言いたくなるのも今だったらわからなくもありません。
でもね、昭和の母親はまだ恵まれてますよ。今は育児プラス仕事も担うことがある女性が多くいます。
で、ワンオペなので疲労も比べものにならないと思います。
子育ては大変です。だから弱音を吐きたくなることもあると思います。時には休みたくなることも。休まざるを得ない時もあるかもしれません。
弱音も、休むことも許されない母親って、なんなの?
弱音を吐ける世界はママが幸せだと思うよ、きっと
子育てを放棄する母親って、いつでも一定数いると思います。つまり、虐待のことです。
子供の虐待が起こる要因は3つあります。
親の要因
- 育児不安
- 虐待の経験がある
- 病気・障害
- 精神的が不安定
子供の要因
- 病気・障害
- 育てにくい
環境の要因
- 核家族化
- 夫婦関係
- 経済的不安
- 孤立
このように、経済状態だけでなく、さまざまな要因が重なり、起こるのが虐待です。
私、自己責任論って大嫌いなんですよ。
そもそも、誰だって生まれてくる環境を選ぶことはできません。
高学歴で高収入のいわば『勝ち組』の人たちのほとんどは、親も勝ち組なことがほとんどです。
つまり、生まれた時からある程度、経済的にも成功が決まっているのが勝ち組なのです。
一方、貧困や虐待に陥りやすい「負け組」は経済状態や環境の要因により、チャンスに恵まれにくい側面があります。
そういった、当の本人には、どうしようもないことがあることを「見えないふり」して、個人の責任にうまくすり変えているのが『自己責任』という言葉だと私は思っています。
子育て中の女性は、親の要因により、すでに虐待が起こりやすい環境にいることがわかると思いますし、子供が育てにくい要因や、環境の要因も重なれば、さらに危険は増す環境にいるのではないでしょうか。
育児したくないという弱音を聞いたら、本当にがんばっていてもうひとりではどうしようもできなくなっている可能性大です。
聞き流したりすることなく、本人の気持ちを吐き出させて安心させてあげること。
そして、心も体もしっかりと休めることができる環境を整えるのが、いますぐ必要なのではないでしょうか?