親のダブルバインドは子供の『やる気』を失わせる
「いい子にしてたら欲しいもの買ってあげる」と言って子供がその通りにしても買ってあげない
「何でもいいよ」言いながら、何でもは許さない。
そういった『矛盾した命令』のことを「ダブルバインド=二重拘束」と言います。
ダブルバインドとは 米国の文化人類学者・精神医学研究者のグレゴリーペイトソンが提唱した。『二重拘束』を意味し、二つの矛盾した命令をすることで相手にストレスを与えることを指す
ついつい無意識にやってしまいがちなことですが、ダブルバインド子育ては、子供に強い悪影響を与えます。
ダブルバインド子育てを今すぐやめるべき3つの理由とやめる方法を具体的にお伝えします。
ダブルバインド子育てをやめるべき3つの理由
子供のやる気が失われる
ダブルバインド子育て、つまり『脅す子育て』は即効性があります。
「早くしなさい!」「やっちゃダメ!」「ちゃんとしないと怒るよ!」も、時と場合によりますが、子供のやる気を失わせることにつながる言葉になります。
親の言う通りにすることが習慣になってしまうと、子供は自分から行動することをしなくなってしまいます。
何かを選ぶとき、選んだとしても否定されたり、叱られたり、取り替えられたりと言った経験が多くあればあるほど、親から叱られない選択を子供がするようになるだけでなく、自分で考えて行動することをやめ、消極的な行動をとるようになるでしょう。
そうなると今度は、消極的で何もしない子供を否定するように親がなると言う悪循環が生まれます。
ダブルバインド子育てをすることで、結果的に、依存的な子供になってしまうことがあるのを知っておくといいでしょう。
親への信頼が失われる
例えば、子供が毎日宿題をなかなかしない時、「宿題しなかったら、お小遣いあげない!」と親が言ったとします。
子供は、お小遣いが欲しいので宿題をしますが、親が「すぐしなかったから、お小遣いはちょっと減らす」としたらどうでしょう?
宿題をしたのに、お小遣いが減らされてしまう。子供にとってはとても強い罰だと思いませんか?やったのに、罰を受けるんですから!
子供が小さいうちはまだいうことを聞くかも知れませんが、子供が成長すると親が嘘をついていることがわかるようになります。
また、自分はいうことを聞くよう脅されていると感じるようにもなります。
そうなると、親子間の信頼関係は失われてしまいます。失った信頼関係は、親が態度を変えない限り元に戻ることはありません。
信頼関係を一度失うと、子供の方も親に嘘をつくようになります。きょうだい・友達にもダブルバインドな関係を作る場合もあり、子供同士の関係にも悪影響が出てしまいます。
自己肯定感が下がる
自己肯定感は『根拠がない自信』のことです。
自己肯定感が高い子供は挑戦することを怖がりません。また、困難なことにも立ち向かう力を持っています。
親が、子供をどう育てたかによって、子供の自己肯定感の高い、低いが決まります。
自己肯定感が高いと物事にも前向きに取り組めるようになります。自己肯定感の高い子供は他者に対しても開放的で、勉強や習い事も人間関係においても成功しやすいとも言えます。
ダブルバインド育児をすることで、子供の自己肯定感は低くなります。
自己肯定感が低いと、
物事をネガティブに取りがちになる
自分を責める
失敗を怖がり、挑戦しなくなる
自分には価値がない
他者へ攻撃的・批判的になる
といった悪影響があります。
日本は文化的に自己肯定感が低い社会でもあり、日本で生きているだけで自己肯定感は低い状態になっていく傾向があります。
親が家庭でダブルバインド子育てをすると、子供の自己肯定感を高める場がなくなってしまうと言ってもいいでしょう。
なので、親は細心の注意を払う必要があると思います。
今すぐダブルバインド子育てをやめる方法は?
自分で考えて行動するように見守る
自分で決めて、気分で行動することは、子供自身の幸福感を高めることにつながります。
また、幸福感を高める要因には「健康」「人間関係」「自己決定」の3つが強く関わります
特に、進路については、自分で決めた進路であれば、自分の判断で努力できるだけでなく、目的を達成する可能性も高くなるのだそうです。
なので、ダブルバインド育児をやめたいのなら、子供に何でも決めさせるようにするといいでしょう。
おやつや、おもちゃ、何を着るかと言うような小さなことから始めるといいでしょう。
何を選んでも、どう遊んでも、口は出さずに見守ること!そうすることで、2〜3歳くらいまでには子供が自分で決めることができるようになっていきます。
また、子供が迷う場合もあると思いますが、そう言う時は、判断材料を上げるといいと思います。
雨が降りそうな時、傘を持っていくかどうか迷うこと、ありますよね?
「今日は雨が昼から降るみたいよ?」と言ったように、判断する材料を親が与えるようにすれば、子供は自分で考えて行動ができます。
傘を忘れて、自分で傘を持っていかなくても、自分で決めたことなので仕方ないと考えられるわけですね。
このような小さなことを決める経験を積み重ねることで、子供の自己肯定感が育ちます。
アサーティブなコミュニケーションをとる
アサーティブとは 「誠実」「率直」「「対等」「自己責任」の4つを柱としたコミュニケーション方法。 相手を大切にしながら自分も大切に、自分の考えや意見を表現すること。
アサーションでは3つの表現のタイプがあります
アグレッシブ(攻撃タイプ)
別名 ジャイアンタイプ
自己主張が強く、自分中心で、言いたいことを言う。
命令する、指示する、脅すと言った傾向あり。
ノン・アサーティブ(非・主張タイプ)
別名 のび太タイプ
主張をせず、自分の気持ちを抑える傾向が強い。
消極的、引っ込み思案な傾向あり。
アサーティブ(調和的タイプ)
別名 しずかちゃんタイプ
アグレッシブとノン・アサーティブのバランス型
相手を尊重しながら、自分の主張も言える。
柔軟な対応が取れ、断り上手。
まずは親のあなたがどのタイプに当てはまるかを考えてみましょう。
もし、あなたがアグレッシブタイプであれば、あなたの子供はノンアサーティブタイプの傾向が強いかも知れません。
最後に
子供の自己肯定感は親の関わり方で100%決まります。
ダブルバインド子育ては、親も気がつかないまま子供にしている場合もあり、続けば親子にとって悪影響があるだけでなく、子供の将来にも悪い影響を与えます。
また、子供を追い込むことにもなりかねません。
親の忍耐と適切なコミュニケーションで、子供の成長に良い影響を与えてあげましょう!